[blog] 昭和の神戸三宮の姿を求めて⑤
東門街のピープルツリー
東門街にあるBar “Arthu de Rimbaud(アルチュー・デ・ランボー)”は、初代からお店を引き継いだ若きマスターが、70年代ロックを中心にアナログレコードをかけてくれる素敵なお店です。
見知らぬBarに一見さんとして入る時はいつも緊張するものですが、マスターは落ち着いた、とても聡明な雰囲気をお持ちでおられると同時に、親しみやすい空気を作ってくださいました。
レッド・ツェッペリンの1枚目をおつまみに、コウベハイボールの涼しい炭酸がツルツルと喉を通って行きました。
東門街の歴史や昭和の三宮近辺を調べていることを伝え、何かご存知ないか尋ねてみたところ、隣のBar “SANSARO”のマスターを紹介していただきました。
Arthu de Rimbaudのマスターと同様に、SANSAROのマスターもまた、物腰の柔らかい紳士です。
パリッとしたワイシャツに黒い蝶ネクタイをきりっと締めた姿は、まさしく私たちの想像するバーのマスター。東門にお店を構えて30年以上だそうです。
中央図書館で入手した昭和の三宮を映した写真のコピーを見てもらいながら、
当時のことを少し語っていただくことができました。
マスターが作ってくれたマティーニは心臓を撃ち抜くほど美味しかった。本物の美味しさを初めて知った時の衝撃や嬉しさは、なかなか頭から離れないものですね。忘れ難い鮮やかな味の記憶となって、あの甘く危険な香りが、鼻腔の裏に蘇ります。フルーツのカクテルがまた美味でした。美味しさのショットガンをまともに2発食らった私と仲間。味をしめてしまったからには、もう元の体に戻れぬのです。
それにしても、人柄の素敵なマスターが待つ酒場が2軒、隣り合わせで並んでいる。
私にはこのことも、本当に素敵に思えるのです。
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